アサシンズプライド
*以下は『アサシンズプライド』の感想ですので、読了した後にご覧ください
これも友人の気になる一冊だとのことで、このたび『アサシンズプライド』を代読しました
キャラクターごとのHPやMP、攻撃力などが数値化されており、とても分かりやすいです
これも分かりやすさを狙ってのことなどでしょうが、「きぃぃん!! と。寸前で跳ね上げられた敵の腕が、青年の刀を受け止めた」と書いた場合の「きぃぃん!!」のような表現が頻出します
詩的な場面を除き、このような表現は、あまり濫用することはおすすめできません
学期末公開試合における《風牙》や、ジンとの戦闘における吸血鬼化など、作者はジョーカーの使い方が上手いなという印象を抱きました
けれども吸血鬼化した場面については、驚かされた半面、落胆している自分もいました
それは直前の、主人公が隻腕になったときのやりとりが好きだったからです
左腕をもがれながら、自分の未来を捨ててでもメリダには守る価値があると断じる主人公は、とても格好が良かったです
そうであったが故に、吸血鬼化したことにより左腕が治ってしまったことが残念でした
四肢の欠損などは、キャラクターの部分的な「死」であると言えます
簡単に死人が生き返っては、物語に緊張感がありません
有名どころで置き換えると、この場面は『ONE PIECE』においてシャンクスがルフィを守るため海王類に片腕を捕食されるシーンに相当します
この作品の場合、そこからシャンクスが吸血鬼化し、腕が治って、そのまま海王類を倒してしまうわけです
それでは感動が台無しだ、私などにはそう映ります
もしも私が作者であったなら、主人公の左腕が治ることはなかったでしょう
いつしか成長したメリダと実力が拮抗し、ついには追い抜かれて足手まといになり、最終決戦ではメリダを送り出す
そのような話作りをしたように思います
以上、ご清覧ありがとうございました
ご意見・ご感想をいただければ幸いです